Project

構想中のものも含めて、現在、空と箱が取り組んでいるソーシャルプロジェクトをご紹介します。

project 1

世界が憧れる田園地域づくり

地域資源-変化に富んだ自然環境と田園の集落

【クリックして全文を読む】富山県は、富山湾から標高3,000m級の立山連峰を含む山岳地帯までが、20~30km程度の距離にぎゅっと詰まっており、変化に富んだ自然環境を味わえることが特徴だと言えます。

 また、川沿いや谷あい沿いの集落、平野の散居村、神社仏閣の門前町などは、今もなお日本伝統家屋の街並みが群として随所に残っていることから、日本の文化と歴史を存分に面として楽しめる地域であることは間違いありません。
 このようなポテンシャルは、農業や林業だけではない生業の創造や既存産業のDX化によって、無限大に広がるはずです。そのためには曇ったメガネを外して、近視眼的な経済優先のモノサシを捨ててみて、新たな気持ちで地域資源の掘り起しをしてみる必要があります。そして、それらの可能性のタネをプロデュース視点によって磨き上げ、地域の担い手育成にも取組み、アートの力も借りながら、様々なプロジェクトを生み出し、世界から憧れる田園地域づくりを目指します。

プロジェクトの構想

【クリックして全文を読む】構想は、富山県成長戦略会議の「まちづくり戦略PT」内に設置した「持続可能な魅力ある田園地域検討専門部会」で行われ、空と箱の代表である明石が座長に就任しました。

2つの重点的検討課題について、約1年間の議論を経て、令和6年度に第一弾の事業となる調査事業を輩出しました。
1.地域の特色・資源を活用した生業の創出:人口の減少、流出により田園地域における地場産業が衰退。農業や林業などの衰退により、地域内で稼げる仕事が減っている。そこで、地域の稼ぐ力を向上させ、経済の循環をつくることに取組む。
2.地域の資源や特性の再評価による求心力のある田園地域の創出:学校や医療機関等の社会インフラが縮小し、生活水準が低下したり、地縁コミュニティの崩壊によって地域の文化が衰退、景観も荒廃している。そこで、都市部との出入りの活発化や地域内での活発な交流うを目指すコミュニティの好循環をつくることに取組む。

プロジェクトの関連情報

空と箱が関わっている事業は以下のとおりです。

  • 令和6年度 魅力ある田園地域づくり-ビジョン&プロトタイプ創出事業- >>公式ページ

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project 2

大衆寿司なら、新湊

地域資源-魚種が豊富な漁業と漁師町の大衆寿司文化

【クリックして全文を読む】射水市にある新湊地区は1000年以上に渡って漁をしてきた歴史のある漁師町。この町にある新湊漁港は6種類の漁法によって300種類以上の魚が揚がる漁港です。

 「漁場が近くて種類が豊富」な漁師町では、家でも毎日のように地魚を食べて、外食に出かけても魚料理。昭和の時代、人口2万人余りの新湊に20軒を超える寿司屋がありました。「極上に旨い魚が食べたいなら新湊へ行け!」かつては、そう言われたとも聞きます。今や養殖や冷凍技術の発達によって、地域や場所を問わずに、そこそこ美味しい魚が食べられるようになり、生活者の多くは、すぐ近くの海で獲れた地魚よりも、日本中、世界中から集めて提供される流通魚のほうを身近に感じるようになりました。
 今の時代「魚食離れ」が叫ばれて久しいですが、厳密には「地魚食離れ」と言えるでしょう。日本人が魚を食べなくなったわけではなく、地元の人が地元の魚を食べなくなったため、漁業はいつしか「大きな流通」が主導する産業になってしまいました。
 世界中を見渡せば、魚中心の日本料理は注目を浴びていて、とくに「SUSHI」は日本食の代表格として多くの人々に知られ、愛されています。この流れを上手く利用して、この町の魚が美味しい理由と実際の美味しさ、そして新湊の寿司屋の楽しみ方を伝え、「地魚」の利用価値を高める取組みを進めていきたいと考えています。
 新湊の寿司屋は8軒、漁師も漁船も減りつつありますが、今ならまだ間に合います。「大衆寿司なら、新湊」はいつか、世界の人々を魅力するはずです。

構想のオリジン

【クリックして全文を読む】都会の寿司屋は、消費者群=マーケットが近い反面、料理の旨さや安さの過当競争に巻き込まれがちです。しかし、漁師町の寿司屋は地産地消をウリに、郷土の色濃く、漁業文化を基盤に、都会の戦略とは異なる楽しみ方を提供できるはずです。

 新湊の寿司屋では、座ったカウンターの隣に、常連の漁師さんがいることも珍しくありません。そこで繰り広げらえる世界は、海と漁の話と一緒にいただく漁師文化の体験です。
 ネタについては、魚種それぞれに逸話があっても面白いです。新湊で有名な魚の1つ、シロエビは、今や高級魚。かつてはそうめんの出汁として使われていましたが、この価値の変化が起こる可能性は、他の魚でも十分にあります。富山県のなかで6種類の漁法で市場に出している港は新湊だけですが、多種多様な魚が水揚げされているにも関わらず、その具体的な内容や可能性は「業界の中」に閉じ込められていて、世界や社会との化学反応を起こしにくい状態だと感じます。
 大手流通の波に巻き込まれたままでは、生産者である漁師の仕事の未来が明るいものになるでしょうか?また、地魚の魅力を生産者や流通事業者から引き継ぎ、広めていく料理人の未来が明るいものになるでしょうか?地魚を地元が大事にするベクトルの先に、さらに当てるモノサシを変えてみることで、経済と流通だけはない価値やニーズを発見することができて、大衆寿司と漁業がとんでもない未来を創造する可能性があると信じて疑いません。

プロジェクトの構想

【クリックして全文を読む】現在、新湊に8軒ある寿司屋は、店それぞれの事情により年々減っていくと思われます。ほとんどの場合は担い手がいない理由から、とも聞いています。世界では、寿司職人を目指す若者が少なくないとか、寿司学校が人気だとか、そのような話題が耳に入ります。

 このギャップを埋めるためには、直接的な経済インパクトだけはなく、漁師町ならではの食文化がもたらす社会的インパクトを求心力として、有形無形の文化的なインフラをつくり、この地に担い手側を確保する必要があります。
 大衆寿司のスタートアップ支援づくりを中心に、以下のような様々なシナジーを生み出す取組みを進めていきます。

【大衆寿司とは】新湊の地魚を使った、地元の人が通いやすい寿司屋です。実はそう簡単なことではなく、課題は盛り沢山。しかし、こうした店は観光客にも人気があるはずです。

1.地魚ネタの利用普及:現在流通している魚をベースに、未利用・低利用の魚種の研究と利用にむけた検討を行います。
2.共感と実感の場づくり:WEBやイベントによって、身近な暮らしのなかにお魚や寿司文化コンテンツをちりばめていきます。
3.大衆寿司のスタートアップ支援:大衆寿司のコンセプトを実践してくれる職人さんを応援するしくみをつくります。
4.地元の応援・関係人口の拡大:大衆寿司の個店や取組み全体を応援してくださる応援会や地域内外のプロたちとタイアップするネットワークをつくります。

プロジェクト応援のお願い

現在、趣旨に賛同していただき、地域活性を応援したい、自社のミッションと協業したい、などの企業からご支援を頂いています。もし、少しでもご興味がある方がいましたらご連絡ください。応援者が多いほどプロジェクトが加速します。

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project 3

富山の文化資源を映像に

coming soon

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空と箱が考える
文化的資源とは?

もともと外在した概念を地域の内在的価値として育み、ある目的に対して利用できる有形無形の原材料や原資に見立てること。

【山で採れた山菜を保存食にする】という文化を例にすると、山に自生した植物というだけの外在的や存在であったものが、食べてみると美味しいとか、栄養があるとか、そうした評判が広がり多くの人が当たり前に食べるようになった。しかし、中には毒性の種類も多かったり、奪い合いがあったりと問題のタネとなる一面もあった。そうした時間を経て、地域内で知恵のストックやルールの共有がなされ、世代を越えて受け継がれ、この地域では、食べ物が採れない寒い冬を乗り越えるための栄養源となっていった。…このようなストーリーを含めた全体が【文化的資源】と考えます。

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